・子供向け映画としてのツボ
まるでストップモーションアニメのように、レゴだけで構成された舞台で物語りが始まり、そういう世界観なんだなーと納得して観ていると、終盤実は現実にあるおもちゃが、おもちゃの世界だけで自由に動き回っている。という、鉛の兵隊的な話しだと言う事が明らかになります。
そこで、現実世界のおもちゃへの見え方が、大人と子供では違っているというのが良くてですね…。
何の変哲も無い作業員レゴが、子供には世界を救うヒーローに見える。という、こどもらしい「見立て」が行われるのですが、そこが…それこそがおもちゃで遊ぶって事だよなー。と感動。
また、大人が見ている所では動かないおもちゃが、子供が見ている所では動き出す。という、「子供の時にだけあなたに訪れる不思議な出会い」(byトトロ)的な…
初期クレヨンしんちゃん映画(最近のは見てないので比較出来ませんが)にあったような、「大人にはわからない子供にしか見えない世界」が、映画観客としての「僕にも見えてるよ!」という共感を呼ぶ演出が大好きなんですよねぇ。
・作る人と作らない人
映画の中では、従順に日々の生活を送る主人公と対比して、自分の手で何もかも作りだせてしまうクリエイター集団が現れます。
クリエイター集団は、単純な生活に満足している人。自ら創造をしない人。マニュアルが無ければ何も出来ない人を馬鹿にしています。
ですが終盤、クリエイター集団は主人公に気づかされるのです。一見、ルーチンワークで働いてテレビ見てご飯食べてという人間にも、ものを作る事は出来るのだ。と
これはねぇ、作る人のおごりというか…ほんと下手に学校で美術の教養を学んだような人間は、猛反省ですよ。
アーティストという職業についていなければ、クリエイターじゃないのか?
畑外の人間が、ものすごい面白いものを作る事だってある!!
作るってのはそういう無限の可能性があるし、いつだって遅くはないんだ。と目を見開かされると同時に、涙で前が見えなくなりました。
・自分が本当に作りたいものを作る喜び
宇宙船がつくりたい、レゴの宇宙飛行士というキャラクターがいるんですが、彼の意見は敵を倒す作戦に向かず、ずっと却下され続けます。
ですが終盤、「何を作っても良いんだ」と主人公が彼に宇宙船を作る事を許可します。
宇宙飛行士は、歓喜の声を上げながら無我夢中で宇宙船を作り上げます。
もうね…こういう演出に弱いんですよ。抑圧していた本当に好きな事を、やっていいんだ。と解放される姿がもう本当好き。
『少女ファイト』で練が、「私バレーボールやっていいんだ」と嬉しそうにプレイする姿とか
『サイタマノラッパー3』で、マイティが「俺…歌ってもいいのかな?」と照れくさそうに言う所は涙ダバーでしたし、そういうシーンがあるだけで5億点。
音楽も良かったですし、もう、おもちゃとか、作る事。に思い入れのある人にはぜひぜひオススメです。
[0回]
PR