現在、主にアフタヌーンで執筆活動をしている、豊田徹也さんの漫画が凄く凄く好きなんですよ。
つまりラブレターです。
単なるファンコール。
彼の漫画を知るきっかけになったのは、月刊アフタヌーン。テレビアニメの『巌窟王』を、アニメ監督が自らコミカライズした連載を追う為に手に取りました。
当時の自分は、雑誌はあまり買わなくなっていて、それでも単行本で読んでいたのがガンガン系なんかの少年漫画。
まず開いた雑誌事態、子ども舌の自分はカルチャーショックを受け、なんだこういう世界もあるのか面白い!と雑誌を定期購読するに至ったのです。
(当初の目当てだった巌窟王はわりとお休み多かったけれども買い続けた)
そ んな中、豊田徹也さんはアフタヌーンで『アンダーカレント』を連載していまして、途中から読むと何がなんだか分らなかったんですが、コマ割りが映像的だった り、会話や動作に「間」を感じさせる話し運びだったり、人間的なキャラクター造形なんかに興味を引かれ、単行本として発売されたものを頭から通して読んだ時の満足感たるや。
(最終回あたりの展開を雑誌で読んでいた時点ですでにお気に入りだったのかもしれませんが、記憶があやふや)
あー、この人の漫画は好きだわ。
と、思って以降、雑誌はまた買わなくなっちゃったんですが、彼の作品は単行本出たら買うように心がけています。
自分的に好きな所は、
モノローグや説明台詞が一切ないばかりか、名前も出て来なかったり、関係性を示唆する言葉も無かったりするという不親切仕様!でも会話や動作の端になんとなく人間関係の距離感が見えてくるという。
また、登場人物が割と無表情で、これだから日本人は表情筋使わねぇ!という、こちらが読み取るしか無い描写がリアルでね…いいんですよ。
あと、物語りの語り口として、あー。こういう事ってあるな。って思う程度にどすんとエグイ描写もあって、世の中の残酷さとかを見せてくれるのもいいですよね。
でも、最終的にはそれを、厳しいばかりじゃないよ。っていう暖かさで終わらせるので(問題解決はしない事も多いけれど)、胃袋に鉛を詰めたままにしないという、書き手の人間的優しさが見えるのがいい。
自分、エグイ描写が好きな割に、ヒューマニズムに落ち着く作品が好きなんですよね。
残酷なままで終わるのは、それはそれでリアルなのかもしれないけど…そういうリアルさは別に、自分はいいや。と思っちゃう。
救いも逃げ道も無かったら、辛過ぎるじゃない。
まぁ、そんな訳で、短編集の『ゴーグル』をやっと読んだ(また買って読むのが勿体なくて放置してた)私が思う事はただひとつ
とんかつ食べたい
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