『ドラゴンボールZ 神と神』
2013年 日本
監督 細田雅弘
脚本 渡辺雄介、鳥山明
ドラゴンボールは世代だった事もあり、漫画全部読んで、アニメも見ていたZ戦士な訳なんですが…この映画はDBの良い所が少なめで、悪い所が強い感じ。以下箇条書きで感想を書きます。
1、倫理感が狂ってる
漫画ブウ編で悟空が、「地球人死んじゃっても、ドラゴンボールで生返らせるから大丈夫」というような発言をした事があって、その倫理観どうなのよ。と思った事があったんですが
この映画の序盤で、マイが身代金要求にトランクスに拳銃を向けても、みんな平然としているっていう描写がありましてね。
むしろ部外者のビルスの方が、みんな笑ってるけどそれってどうなの?という外側からのツッコミを入れていましたが、確かにトランクスは並外れた身体能力を持った子供だし、サイヤ人たちの異常性を描写する為の演出なんですが、それでもブルマやチチは不快感を表したり、止めに入れよ。と
あげくの果てには、悟飯がその拳銃で自分を撃ってみろとか挑発するんですが(酔ってたという捕捉は劇中で入りますが)
なにこの世界。怖い。
バケモノめいた力があるにしろ、殺傷能力のある道具を向けられるのを肯定するような演出はして欲しくなかったです。
2、人間味が逆に…
常に二番手に回るベジータは、その後の鳥山明の漫画でもネタにされていましたが、歌って踊る王子を見るのは心底辛い物がありました…。
悟空に力を分け与えるため、サイヤ人が円陣組む所とか…ほんと勘弁してくれと…。
似たようなものにフュージョンがありますが、あれは子供がやるから、変身ヒーローのポージングみたいで愉快なんだけど、孫家族とベジータ家族が手をつないでマイムマイムってどうなん…絵柄が地味な上に、そこに至るまでが苦肉の策って感じでもないし、Z戦士がふぬけたお遊戯やらないでくれ…と幻滅。
映画最後とかをみても、悟空は割としたたかだったり、ベジータは愛妻家だったりで、
ああ…格闘だけやってて、後は何も考えない時代は終わって、それぞれ家庭を持っちゃったんだよね…みたいな気持ち。
3、行動原理はわかりやすいが、映画としてのカタルシスがない
悟空がバトルでどっか行っちゃった時に、亀仙人が全員でバトルの行く末を見守ろうって、追いかけて行ったのはよく分からない行動にしろ
ビルスが何でバトルをしかけに来たのか、それをどう対応するのか、については意外ときちんと筋道立っていて、納得のいく話し運びなんですが
超強い人に稽古習って終わる話しってなんだそりゃ!!!!!!!
悟空はそもそも内面描写がないキャラクターなので、そこに成長も葛藤も無い。だからこそ、映画的なカタルシスを産む為には、超強い敵をヒーローがやっつけるっていうそこにしかドラマを産みようがない設定なのに、
勝たないのかよ!!!
しかも、負けたからと言って、そこにドラマが産まれる訳でもない…(内面が無いから
強い敵を倒す話しにしないんだっったら、わくわくするような冒険とか、寓話とかSF的なアイテムや物語りが欲しかったし
主人公がええ歳って設定になってるから、ロートルが出て来て格好良くないまま終わるって、バトルヒーローとしてどうなのそれ…と。
むしろ映画じゃなくて2時間特番だったら良かったなーと。
(昔見た、パンの孫の話しの方がよっぽどドラマがあったような記憶がある…
もうね、元のキャラクターが好きなので、手垢にまみれたいつも通りの興行で良かったんです。
超悪い奴が居て、戦うけど駄目で、悟飯がピンチになるとピッコロさんがやってきて、悟空が負けそうになると、カカロットを倒すのはこの俺だ。ってベジータがやってくるんだけど負けちゃって、バトルで地表はぼこぼこになって(だもんで、バトルは地球以外の所でお願いします)最後は何でか悟空が勝っちゃうような、いつも通りの物が見たかった。\ざんねーん/
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