| Admin | Write | Comment |
プロフィール
HN:
リーベン
性別:
非公開
自己紹介:
リーベンによる漫画とか映画とか小説の感想や創作。日々のつれづれ。
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[12/19 リーベン]
[12/15 yuu]
[08/10 リーベン]
[08/10 秋野]
[08/10 折易]
最新記事
(11/20)
カウンター
ブログ内検索
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今までが急がしすぎたせいもあるだろう。頭の中が伽藍として、ベイリは真っ暗な彼方を見つめる。野外に出るだけでも、卒倒ものだったのに、こんなに穏やかな気持ちで真空を見つめられるようになったのは、どうしてだろう。
柔らかい光が船室を照らす。壁にもたれかかると、宇宙船のエンジン音がかすかに聞こえる気がする。今までの地球の科学力では考えられないほど高度な宇宙船だ。
ファストルフ博士の助力もあり、ベイリは今や地球代表として、未開拓の惑星に向かっている。こんな未来など、どうやって想像出来ただろうか。あいつと出会った頃だって、早く任務が終わればいいと、そればかり考えて来たのに。
そうだ、出会ったあの頃…。
自動扉が開き、息子のベンが部屋にやって来た。開拓地についての、いつもの打ち合わせだろう。そんな息子に、ぼんやり聞いてみる。
「今何時だ?」
「え?えっと…」
ベンは時計を探そうと部屋を見渡し、すぐに腕時計の存在を思い出して袖をめくった。「地球時間では…。」と答え始めた息子に、ベイリはすぐにもういい。と遮った。
別に時間が知りたかった訳ではない。
きっと、あいつは間を置かず、きっかり答えるんだろう。そばにいないパートナーの事を思い、ベイリは苦笑した。
自分の何十年かの人生のたった数日でしかない邂逅が、こんなに愛おしいとは…。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[27] [26] [25] [24] [23] [22] [21] [20] [19] [13] [11]
忍者ブログ [PR]