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リーベン
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リーベンによる漫画とか映画とか小説の感想や創作。日々のつれづれ。
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今日『西の魔女が死んだ』を母とみてきました。
すごく、失礼な話しですが、映画始まるまで西洋の作者のはなしだと思ってました。
日本産の児童書だった…。

西の魔女は、中学生のときliptonさんが凄く好きな本で、薦められたのを覚えています。
しかし、なぜか読まなかった。(ヲイ)
なので、主人公の女の子がliptonさんに見えて仕方が無かった。
顔は全然似てないんですけどね。こういう事に彼女は共感してたのかー。
と思ったら、そう見えた。
多分自発的には観に行かないタイプの映画ですが、(母に誘われた)面白かったです。
映画としての作り込みはちょっと甘いんですけどね。
公開始まったばかりだと思うので、どうぞ。


その後久しぶりに母に会ったので、近況報告聞いたり、話したりしたんだけど、
なぜか涙が出てくると言う不測の事態に困った。(…)
あー、あー、もうなんなんだこいつ。切羽詰まりすぎたー。
疲れてますね。くそう。


あ、そんで誕生日おめでとう私ありがとう私で、念願のパーソンをゲットしました。
ステキ過ぎるぜ此畜生。
そのうちフラスコに手を出したいです。でも値段高い…。iichikoデザインが最強過ぎる。
シルエットも欲しいなー。

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「walk〜」のほうじゃなくてすいません。アシモフ短編。クレオン幼少期。
しかし主人公は兄。(笑)


*******


「君に穿つ釘」


荘厳な宮殿で、場違いに明るい少女の笑い声が響く。王立図書館から借りて来た、厚ぼったい本を小脇に抱えた少年は、開け離された木製の扉から、部屋を覗き込んだ。
「姉さん。なにをやっているんだい」
そう呼ばれて、少女は涙眼でこちらを振り向く。たおやかな金髪が、シルクのようにその肩からこぼれる。美しい装飾がなされた子供部屋で、彼女は一枚の絵のようだと少年は思った。
「ああ。ランバート。帰って来ていたのね。お帰りなさい。ねぇ、これを見て」
少女は部屋のある方向を指し示すと、堪えきれないようにくすくすと忍び笑いをもらした。ランバートは、指された方向を見る。———なんか居る。
せっかく、少女によって作られた絵画のような空間が、ただそれだけで台無しになるような、ゲテモノが居る。少年は、額に皺を作ると、
「何やってんだ。馬鹿」
と、それに話し掛けた。

「あら、酷いんじゃない?こんなに、可愛い子に向かって」
彼の姉———フレデリカはそういって、部屋の中央でぽかんとしている子供の肩に手を置いた。そう、まさにその子供が問題なのだ。
茶色がかった堅い髪には、丹念に櫛が入れられ、白いブラウスの襟には、フリルや薔薇の刺繍が入っている。薄いピンク色のドレスにはレースやスパンコールがちりばめられ、背中には大きなリボンが付いている。どこからどう見ても、可愛い女の子である。確かにそれが、女の子ならば。
しかし残念な事に、子供はこの三兄弟の末っ子であり、名前をロデリックといい、そして正真正銘の男の子であった。
ランバートは片方の眉をつり上げると容赦なく怒鳴った。
「お前は一体何者だ。言ってみろ!」
幼いロデリックは、その声の大きさに驚いたのと同時に、叱られたと思って泣きそうな顔をした。ぐずつく弟に対し、ランバートはさらにイライラを募らせる。
「この大馬鹿もの! それでも第二皇子か。ああ、そうだ…。お前はこのトランターの皇子なんだぞ。身の程を知れ!」
「そんなに、怒る事無いじゃない。ロロが可哀想よ」
たまらなく、フレデリカが中に割って入った。
姉さんはいつも弟の見方をする。自分は間違った事は言っていないのに…。ランバートは、すっかりうつむいてしまった弟を睨んだ。
「ランバートもう、いいでしょう? ロロを泣かせたら、姉さん承知しませんよ。それに、こんなのちょっとした侍女のお遊びじゃない」
フレデリカがそう言うと、ランバートは耳聡く、聞き返した。
「侍女がやったのか? 初めて聞いたぞ」
フレデリカは、ああ。そう言えば言ってなかったわね。というと、それでどうした。というような顔をした。しかし、ランバートは少し眉根を寄せて、
「誰がやったんだ?」
「アンよ」
ふん。と、言うとランバートは思考の海に沈み込んだ。
「アン…だとしたら、家柄と職場の引き抜きからして、あいつか…」
誰にともなくつぶやく兄に、ロデリックはまたいつ怒鳴られるかと、びくついた様子でそれを見ている。
しばらく、思考の糸をたぐらせていると、彼なりの結論を見出したらしい。ランバートは姉に後で取りにくるからと、重たい本を手渡す。そして弟に、醜いからとっとと着替えろと言うと、足早に部屋を後にした。

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彼が向かった先は、アンの所ではなく、個人の事務室だった。
「おお、皇子。よくこんな狭い所に、まいられました。ささ、どうぞ」
けして狭くもない部屋で、角張った顔の大臣がイスから立ち上がる。そばにあるソファを薦めた。これに「いや、いい」とランバートは言うと、子供に似つかわしくないするどい眼で大臣を見据えた。
「あれはどういうことだ?」
「はて、あれとはどういうことでございましょう?」
大臣はえらの張った顔に鷲鼻だったが、いつも笑顔を絶やさないせいで無骨なイメージはない。だが、本当の意味で破顔したことなど、一度も無いという事をランバートは知っている。
「ロデリックの事だ。下手にしらを切ろうと思うな」
「いえいえ、申し訳ありません。ますますもってわかりませんなぁ」
「アンを使って、弟に女物の服を着せただろう。父の指示ではないはずだ」
「なんとユニークな発想でしょう。さて、お考えを拝聴賜りたく存じ上げます」
立ち上がった大人と、13歳の少年では身長差が開きすぎている。しかし、ランバートは懸命に背筋を伸ばし、対峙する。
第二皇子というのは、極めてデリケートな位置だ。皇帝にはなれないが、無下にも出来ない。しかし兄が居なくなれば、次の主君に置き換わりえる。だからこそ、国の父としての王に、対比させるための女装。男性としての自己喪失。今のうちから、お前は余計なことをするな。お前には何も出来ないと言う刷り込みであり、性格成形。
「以上がお前の策略だとおもうが…」
ランバートは冷ややかに視線を投げる。大臣の眼はつぶっているのか、開けているのか分からない。そして、はなはだ恐れ入ったと言うように、
「おお、第一皇子。そのような考え、私など一小役人にはまったく思いもよりませんでした」
と、逆に皇子の賢さと成長ぶりに感動を覚えたと言わんばかりである。
流石に、認めないか。ランバートはこれ以上の会話が不毛だと感じ、
「アンをクビにするなよ」
と言い残して部屋を去った。

さて、ランバート皇子が出て行ったので大臣は、気兼ねなくどっかりとイスに体重を預けた。そんなせせこましい事はしないでも、次の王はこの俺だ。ということか。宮廷内では暗に、第一皇子派と第二皇子派が形成されつつある。この大臣は第一皇子派の筆頭であった。あわよくば取り入り、宰相に推してもらうつもりで居る。どうせ、今の王には何も出来まい。
(ふん。まだ10歳そこそこのガキが)
宮廷内では、誰に聞かれるとも限らない。大臣は心の中で悪態を付いた。いつ第二皇子派が行動を起こすとも限らない。それを抑えて皇子を守っているのは、ひとえに自分の存在だと考えているからだ。
だが大臣は、頭の良い王も長生きは出来まい。と唇の端をつり上げた。

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ランバートは、すぐに姉の元に戻らず、中庭に向かった。
天を仰げば、青い空が広がる。銀幕で覆われた惑星トランターでは、珍しい光景だ。トランター産まれであれば、天候に左右されるこの環境を羨むより哀れむ。でも、ランバートはこの光景が好きだった。いや、大人は変だとさえ思う。きっと、子供の時には風の匂いや土の手触りや、雨の冷たさが好きだったはずだ。
と、視界の端に慌てたような侍女の様子と、彼女が追いかける者が眼に入った。大人でも、子供のように無邪気に振る舞う女。舞踊る亜麻色の髪。見知った、しかし意図的には出会いたくない顔。
見つからないように、ランバートは静かに中庭を後にした。

化け物が巣食う宮廷内では、頭が良くなければ、生き残れない。しかし、逆に頭が良過ぎても邪魔だと殺される。一番いいのは、そうなる前にドロップアウトしてしまう事だ。彼の母親のように。
前皇帝は、まだ40そこそこで崩御した。この時勢、暗殺だろうという噂がまことしやかに流れた。従兄弟であった、ランバートの父親が後を継いだのだったが、悪かったのは前皇帝の妃が、彼の母親の妹だった。
姉妹中がさほどよくなかったという、ちょっとした逸話に尾ひれが付き、皇后の地位が妬ましくて姉が地位を奪い取ったという噂が出た。もちろん根も葉もない話しだ。しかし、どうしたものか、妃の耳に入ってしまった。それから、妃は心を病んでしまった。
だから、ランバートが物心ついた時には、母親は…


姉の部屋にいくと、フレデリカはランバートが置いて行った古い本と格闘していた。弟の姿を見つけると、諦めがついたように本を閉じて手渡した。
「よくこんなものを読みたいと思うわね。」
「どんな本も、一応読んでみる価値はあるんだよ。姉さん」
そういうと、ランバートは笑った。その姿を見つめると、
「ようやく笑ったわね」
と、フレデリカは、ほっとしたような顔をした。
「何をして来たかは知らないけれど、あんまり思い詰めちゃ駄目よ。あなたも、ちゃあんと私の大切な弟なんだから」
「わかってるよ」
そう言って、ランバートはまた微笑んだ。彼が、無条件で安心出来るのは、空の下と姉の側だけだ。姉に全幅の信頼を預けるのは、母親の愛情の代わりなのかもしれない。それとも、本当に好きなのかもしれない。自分の気持ちはまだどっちとも付かないし、決着をつけようとも思っていない。
と、そこにそろそろと弟がやって来た。しっかりと、男の子の格好で。しかし、兄にかける言葉が見つからず、結局口ごもってしまった。彼としては、人に勝手に衣装をあてがわれて、それを見た兄に怒られたわけで、自分がどうして怒られたのかよく理解していない。
だが今度は、ランバートは幼い弟にできるだけ柔らかい口調で、話し掛けた。
「馬鹿は馬鹿でいろ」
相変わらず、弟はきょとんとしている。馬鹿にされたか、また、怒られたんだろうか。
そんな姿をみて、やっぱり自分がしっかりしないとな。と兄は堅く決意した。

おわり

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