| Admin | Write | Comment |
プロフィール
HN:
リーベン
性別:
非公開
自己紹介:
リーベンによる漫画とか映画とか小説の感想や創作。日々のつれづれ。
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[12/19 リーベン]
[12/15 yuu]
[08/10 リーベン]
[08/10 秋野]
[08/10 折易]
最新記事
(11/20)
カウンター
ブログ内検索
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

衛星、月。ファロムはここで、一日の大半、様々な事を勉強する。
だが、なんといっても遊びたい盛りだ。ぱたぱたと軽い足音を立てながら、ファロムは駆け回った。ここに来て、色々な場所を案内されたが、それでもなにか面白いものは無いかと、探検せずにはいられない。
「勝手に変な所にいってはいけないよ。迷子になったらどうする…」
ダニールは走っていって、少女を捕まえる。小脇に抱えられた少女は、鬼ごっこのあっけない幕切れに、ぷーとふくれる。
「ママは過保護だー」

ダニールは、それこそ監視カメラと意識をリンクする事が出来る。だから、本当は口やかましい事を言うは必要ないのだ。物理的に眼の届かない所に居ても、彼女の身柄を、安全に確保する事は可能だから。
それでも、つい過保護になってしまうのは生来の気質ゆえか? わがままな人間を数多く世話をして来たという経験からだろうか。
いや、それとも親とはこういうものだろうか?

ロボットの自分には分からない。機械人形と人間を比べる事は出来ないが、それでも、ダニールには家族と言うものがよく分からなかった。
生みの親と呼べるサートン博士は、地球に行って殺されてしまった。同形の弟も、ろくな交流が無いまま破壊された。ダニールの共同制作者のファストルフ博士には、娘が居たが、すでに自立して家に寄らなかったし、引き取り手の後継人である、マダム・グレディアは育児にあまり関心を寄せていなかった。
そのかわりに、ダニールの先輩にあたるジスカルドが面倒を見ていたのだが。
実の親との交流とは、どういうものなのだろうか?使用人ではなく、ダニールが親として扱われたいと願うのは、きっと彼女が自分の事を「ママ」と、親しく呼ぶからだろう。

***

白いワンピースがめくれている。
「へんな格好でだらけてはいけないよ。女の子なんだから」
晩飯の準備ができたと伝えにダニールは、ファロムに与えられた個室に行くと、おもちゃやら、ビジフィルムやらが散乱している中で、ごろごろと転がっている子供にそう言った。
「ぷいぷいぷー」
ファロムは言葉にならない抗議をした。
「じゃあ、女の子じゃないもん。男の子だもん」
「男の子なんだったら、我慢強くならないと行けないよ」
ぺちゃくちゃ言い訳してはならないし、食べものを残しちゃいけない。それにそれに…とダニールの説教が続く。ファロムは、うんざりして
「じゃあ、やっぱり女の子で良い!」
「はい。じゃあしとやかにしようね」

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[59] [58] [57] [53] [51] [50] [47] [46] [45] [44] [43]
忍者ブログ [PR]