『メアリー&マックス』をDVDで見ました。
オーストラリアの長編クレイアニメーションなんですが、結論から言うと、面白い。
劇場で見そびれたのは、残念です。
これからつらつら、感想文を書いて行きます。評論ではないのでご容赦を…
・宣伝について
性別も年齢も国も違う、不器用な二人の心温まる手紙を通じた涙を誘うハートフルストーリーというようなCMを流していたと思うんですが、観終わって思うのが、合ってるけど合ってない。(笑)
これをうっかり、子ども向けアニメだと思って親子連れで観に行くと失敗すると思います。(もう公開終了してるのでそんな心配はないわけですが)
むしろ、よくこんなものに出資したなと思うんですが、普通に宣伝したらまず客が入んないと思うので、ある意味正しい方法なのかな?
一応エンターテイメントの作りにはなってるけどね。
・設定について
冒頭見ていると、人が死んだりいじめられたり親がアル中といった悲劇をユーモラスに描いたり、普通に生活している人間でも七癖あって、そこを過剰にしたような毒のある表現に、『アメリ』を連想させます。
カラフルな画面にする事によって異質さを表現した『アメリ』とは違って、『メアリー&マックス』だと、使われる色はモノクロかセピアのみ。時折印象的に赤をひいたりするくらい。
でも決定的に『アメリ』とちがうのは、普通の人だけどサイコみたいな主人公ではなくて、主人公が実際に障害者であると言う事。
見てる間なんか、それっぽいなーと思ったら実際アスペルガーという設定でした。
障害を持った人を作品に登場させるのは、難しいなぁと思うのですが
この映画の場合は嫌みがなくて、障害を持っているのは可哀想とかいうわけでもなく、そのまま描いているので好感的だなぁと。
まぁ映画のメインは障害者理解じゃなくて、やっぱりメアリーとマックスの交友なんですがね。
メアリーはメアリーで、産まれ付き持った顔の痣のせいでいじめられたり、親に充分愛情かけて貰えなかったせいで、極端に自分に自身のない子だったりして。
恋人が出来て結婚して、やっと自信が持てた所に…というはなしのもって行き方とかおもしろいけど、いい加減文章長いのでおわり
・手法について
CG全盛期のこのご時世にあえてクレイアニメーションという手法を選ぶってのは良いですね。
同じ時期に発表された長編クレイアニメーションでは『コラライン』がある訳ですが、アナログでやろうともCGでやろうとも製作にかかる時間はおなじくらいだってDVDのメイキングで言ってました。
どうしたって画面に表される手作り感は、出るなぁというのがアナログのいいところ。
特に思ったのが、関節の不自由さ。主に股関節。
人形を立たせる、歩かせる、それが出来る関節の可動範囲って限られてるんですよ。つまり固い。
CGアニメでも骨はあるんですが、2Dアニメ同様表現がもっと多彩じゃないですか。画面の過剰表現が可能ってのが特色な訳で。
なので、今回骨を意識させるクレイアニメってのはある意味、実写映画に近いんだなぁとかに気がついたり。
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